星が降る

 

 

満点の星空、星に手が届きそうに感じた幼い頃。


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タイトルが可愛くて買って読んだが、何を言わんとしているのか理解できていなかった。

その時買った本はおそらく実家にあると思うが、去年ぐらいにふと書店で目に止まり購入した。

 

その本の中で

「きみは、なつかせた相手に対しては

ずっと責任があるんだ」

と言うセリフを思い出したからだ。

 

それは愛犬モモが旅立って半年たった頃だった。

 

 

 

モモは2002年3月、公園の片隅に段ボールに入れられ捨てられていた犬。

長男の友達が見つけて拾ってきたが、その子の家には既に犬がおり、もう一頭飼うことはできなかった。

誰にも貰われなければ保健所に連れていくしかないと親御さんがおっしゃったのを長男が聞いて なんとか家で飼えないかと号泣された。

 

私は大賛成。メスで3月の桃の節句に我が家にきたので、名前はモモ。

すぐに動物病院に連れて行き健康状態をみてもらい、

歯の生え具合から、先生に誕生日を2002年2月1日と決めて頂いた。

 

先生から「柴犬の血が入った雑種ですね」と言われていて、成犬になっても体重は8kgから10kgの間で親バカだがとても利口な子だった。

 

しかし、犬のしつけで1つ失敗した事は 何故か次男(今家にいる息子)をモモは序列の中で自分より下とみなしてしまった。

当時3歳だった息子が撫でようとするとウーッと唸る。

私がモモを叱ると「モモを叱らないで」と私が息子に叱られる。


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このパターンを繰り返し、息子がやっとモモを撫でる事が出来たのは痴呆の症状が出た頃。

 

 

それから亡くなるまでは今まで撫でれなかった分を取り返すかのように時間を見つけては散歩に行っていた。

 

モモが14歳になってすぐくらいから後ろ足が衰えだし、自分の小屋と壁の隙間に頭を突っ込んでウォーウォーと鳴くようになった。

柴犬などの日本犬は年齢を重ねると痴呆症の症状が出るらしいとは聞いていたが、どうしていのかわからずYouTubeで検索して介護方法を学んだ。

この時長男は社会人で家を出ており、介護をするのは次男と私。

 

息子は泣きながら動画をみていたが、モモはこれからこんな風になっていくし、長期になるだろうから心して一緒に介護していって欲しいと話し合った。

 

しかし、まだ寝たきりになっていない状態だったのに2018年9月の初め、急に倒れ病院に連れて行くと一週間程食欲が無い上に暑さに体力がついていけてない状態で、血液検査の結果も悪く、このまま病院に預けても今夜もつかどうかと言われたので連れて帰った。

 

そして、その日の夜中に旅立った。

倒れてからあっという間だった。

息子と2人で最後を看取れたが、

「また生まれ変わって来てうちに来てよ」と泣きじゃくりながら話す息子に

「今度生まれ変わってきたらお金持ちのおうちに行って美味しいものを沢山食べさせてもらい」

家計が結構キツかったので私にしたら美味しいドッグフードを食べさせてあげれなかったから、私も負けじと泣きじゃくりながら言うと

「いや!絶対うちに来て!」と負けてはいない。


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生きてる時もうるさかったが、「静かに横たわっていてもうるさいんだな」
と、さぞかしモモも呆れた事だろう。

 

星の王子様をあらためて読むと、「何事も心で見る事が大切なのだ。いちばん大切なものは目には見えない」と教えてくれている。

その中でも私が強く感じたのは責任絆。

モモは何も言わずとも ぴったりくっつき私の横に座る。

もうそれだけで幸せな時間だった。

 

 

終盤、星に帰る王子さまが、「ぼく」に言う言葉。

「おまえが夜に星を見上げるとね、その星のひとつにおれが住んでいるせいで、その星のひとつでおれが笑っているせいで、おまえにとってはまるですべての星が笑っているように思えるはずだよ。」

 

サン.テグジュペリ  星の王子様より

 

あらためて本を読み返した時、

モモは

いつも、いつまでもバカみたいな事ばかりしている親子を見て大笑いしているんだろうな、そうだったらいいな、夜空を見上げると目が合うんじゃないかと思えたりする。